「交渉事には,誠意というものが必要だ」とロジャー・スミスは云っていた。誠意のカケラもない人間と交渉しなければいけないことは,不幸でしかない。そして,この国で音楽配信なんてしているのはマヌケな人間だけなので,わざわざマヌケの仲間入りする不幸も背負うことになる。
quote:毎日新聞によると,日本のアップル社の代表である前刀禎明氏は日本でiTunes ミュージックストア(iTMS)を年末までに開始すると述べた。だが日本のレーベルは,どんな音楽CD価格引き下げにも応じていない。アップルはCDをプレミアム商品と位置づけて,iTMSでの低価格なダウンロード販売をしてきたが,さて,日本では「99」の数字をどのように使った価格設定にできるか楽しみではある。
その毎日新聞の記事には確かに「年内に」とあるが,その後アップル・ジャパンからはいつまでにやるかなんて云ってないとあっさり否定されたようだ。まぁよく読むと「今後,主要レコード会社と交渉し」なんて書いてあって,交渉する前から今年中にやるなんて云うわけがない。年内にレーベルとの交渉も含めて事業として開始するってだけのようだ。誤解させる見事な釣りテキストっぷりに開いた口がふさがらない。つか,いままで交渉してもいなかったという事実にかなりゲンナリとするが,まぁ急いで交渉しに行ってもどんな扱いを受けるかは想像できるので,まだ交渉前だと云うのはバカバカしいが正解なのかもしれない。
わたしとしてはThe Registerと同じく,いったい1曲いくらで交渉に入るのかが気になる。米国では0.99ドル(106.68円),カナダでも0.99ドル(86.07円),英国では0.79ポンド(160.66円),フランス,ドイツ,イタリアなどの欧州では0.99ユーロ(137.24円)となっていて,英国はちょっと異なるが「99」という数字を入れるのが最優先と取れる。アップル・ジャパンがいくらぐらいが適性と判断しても,「99」を数字に入れろというのがスティーブ・ジョブズだ。本当は99円が最適だろうが,安過ぎてあり得ないのはすぐにわかる。199円なら御の字。299円では他国と差が開き過ぎるとスティーブはダメ出しするだろう。だが御の字の199円になっても,他国の動きをみて期待していたユーザーには考えられない高額で,かなり批判が出ても変ぢゃない。交渉前からこんなうんざりするバカバカしい交渉を行わなければいけない人が,かわいそうだナ。(ネタ元:RECO-PLAY.COM)
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